早速だが、以下の動きを見てあなたは何を思うだろうか。
1番手 1R1手目:職業(鋤手助手) 2手目:日雇い(+畑)
鋤手助手はアクション強化系の職業の中でトップクラスの強さであり、序盤は食料行動も少ないため、日雇いで畑を耕せるのは一見強そうに見えるかもしれない。今回はこの動きを元に、アグリコラで重要な要素である「拡大再生産」について考えてみよう。
ボードゲームにおける拡大再生産とは「ゲーム中で得た資源を使って、更に資源を得られる仕組みを得、自身の資産を増やしていく」ことだ。特に序盤から効率よく拡大再生産できれば、雪だるま式に資産が増えていき、他のプレイヤーとの差を広げることができる。
アグリコラにおける拡大再生産の要素を考えてみよう。一番わかりやすい拡大再生産の要素は増築・増員の動きだ。
①ゲーム中で得た資源を使って(増築アクション)
②更に資源を得られる仕組みを得、(増員)
③自身の資産を増やしていく(増やした家族でアクションを行う)
また、種まきや家畜繁殖も拡大再生産の1つと言えるだろう。
①ゲーム中で得た資源を使って(畑と種 / 木と家畜)
②更に資源を得られる仕組みを得、(種まき→収穫 / 家畜繁殖)
③自身の資産を増やしていく(食料や勝利点)
拡大再生産して増えたリソースを別の拡大再生産の要素につなげるのも重要だ。これらの拡大再生産要素をバランスよく伸ばすことで勝利点も自然と増えていく。
例
・増築増員 → 増えた家族で種や畑に入る → 種まきパン焼き
・家畜繁殖で食料供給を安定 → 余った手番で資材を集める → 増築増員
ここで冒頭の状況を拡大再生産の観点から考えてみよう。畑は耕せているが、畑だけでは更に資源を得る仕組みには結びつかないので、このままでは拡大再生産できているとは言えない。
上記の状況から、日雇いに1回,小麦に2回入り畑に2つ小麦をまいてみたらどうだろうか。確かに種をまけば拡大再生産できていると言えるが、小麦畑だけでは少し不十分だ。小麦はそのままでは1食料にしかならず、他の拡大再生産要素につながらない。
序盤に小麦畑を作ると自身が日雇いや小麦に多く入る分、他プレイヤーが資材や食料を得やすくなる。他プレイヤーが増築増員を効率よく行うと、拡大再生産の観点で差を付けられてしまう。
上で挙げた理由から、鋤手助手だけでは序盤の拡大再生産を行いにくいと言えるだろう。鋤手助手→日雇いの動き自体は悪くないのだが、そこから先で強力な動きにつなげにくい。
例えばウイスキー蒸留器を持っているなら、序盤に小麦畑を作ることで中盤以降の食料供給を安定させられるので、1手目鋤手助手も選択肢となる。またわら小屋を持っている状況なら、鋤手助手を出して早めに3小麦畑を作って、わら小屋を出し増築を行いやすくするという展開も考えられる。
それ以外だと、汚水だめとセットで「鋤手助手→日雇い→日雇い→汚水だめ」の動きは強力なので覚えておこう。またビールテーブルは拡大再生産に寄与するカードではないが、小麦畑を作ることで大量のボーナス点を狙えるため、1手目鋤手助手の理由になりうる。
他にも組み合わせ次第で1手目鋤手助手が有効な場面もあるが、悩んだなら鋤手助手を出さずにまずは増築増員を目指してみよう。増築増員して手数を増やしてから、余った手番で鋤手助手を出して日雇いを踏んで、拡大再生産につなげるのがわかりやすく強力。
今回は鋤手助手を例にあげて解説したが、当然他のカードでも同じことが言える。家庭教師やパトロンなど、早めに出しておきたくなるようなカードでも、拡大再生産に寄与しにくいなら、増員を優先してから出した方が動きやすくなることが多い。
もちろん、ドラフト段階から序盤の動きを想定しておくのは非常に重要。ドラフト初手で鋤手助手をピックしたなら、その鋤手助手をいつ出すのか念頭に置いた上で以降のピックを進めていこう。
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